小頭症との関連も疑われるジカ熱。ジカウイルスの危険性とは
要点
・ジカ熱は蚊を媒介として感染するウイルス性の疾患である。
・死に至るような病気ではないが、妊娠中の妊婦が感染すると胎児に影響が出る可能性がある。
・ブラジルではジカ熱の大流行と小頭症の発生率の増加が同時期に起きている。
・予防法は蚊に刺されないようにすること。
ハワイで小頭症の新生児がジカ熱に感染していたことがわかった
米国で確認されたのは初めてのこと
米ハワイで生まれた小頭症の新生児が、蚊が媒介する感染症のジカ熱に感染していたことが18日までに分かった。
南米ブラジルではジカ熱が流行し、小頭症の乳児が激増しているが、米国で症例が確認されたのは初めて。
2014年の症例数はわずか147例だった。
ブラジル保健省は、国家緊急事態宣言を出していて、日本の専門家は、「妊婦の流行地への渡航自粛」を呼びかけている。
「ジカウイルス(ジカ熱)」とは?
ジカウイルスはヤブ蚊により都会でも田園地帯でも感染伝播します。
1947年にアフリカ東部の森で初めて発見された
ジカウイルスは2007年太平洋ミクロネシア連邦ヤップ島で大規模な感染が起こり、初めて知れ渡る事になりました。
2013年11月にはポリネシア地域で大流行した。
同年、同地域で感染した日本人が帰国後に発症し、国内で初めてジカ熱の患者が確認された。
「ジカウイルス(ジカ熱)」の主な症状
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ジカ熱に感染すると7~10日の潜伏期間の後、発熱や皮膚のかゆみ、発疹、下痢などの症状が出現。
目の充血や関節痛、筋肉痛、手足のむくみなどがみられることもあります。
頻度は下がりますが、後眼窩痛、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛を起こします。
感染しても症状がみられない人が多く、感染者の5人に1人程度で症状がみられるに過ぎません。
妊娠中「ジカ熱」に感染すると、胎児に影響する危険性がある
妊娠中の女性が「ジカ熱」に感染すると、おなかの中の胎児に影響し、
脳の発育が不十分で、知能や運動機能に障害が出る「小頭症」の新生児が生まれるケースがある。
出典www.fnn-news.com: ブラジルで「ジカ熱」...
これまでのところ、感染症による死者は出ていない
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2007年にミクロネシアのヤップ島、13年にフランス領ポリネシアで流行し、14年にはニューカレドニアとクック諸島などでも患者の報告があった
ほとんどは4~5日で軽快し重症化することはまれです。
最近では、プエルトリコで初の感染が確認されている
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ブラジルでは新生児の小頭症の増加との因果関係も指摘されているジカ熱について、
「ジカウイルス」と「小頭症」との因果関係
ブラジルでジカウイルスがアウトブレイクしたときに、小頭症の新生児が過去5年間の10倍に増えました。
そのため、ジカウイルスと小頭症との因果関係があると言われています。
ブラジルの保健省は最近、蚊が媒介するジカウイルスと小頭症の関連が世界で初めて確認されたと発表
小頭症は、新生児の精神発達障害も引き起こす。
「ジカウイルス」は、有効な治療法が確立されていない?
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ジカウイルス感染症への有効な治療法はありません。ワクチンもありません。
そのため、蚊に刺されないことがとても大切です。
海外渡航時は、予防接種を受けておきましょう
海外旅行に行く前には、感染症を防ぐためにワクチンのあるものは予防接種を受けておきましょう。
入国時に予防接種の証明書を要求される国もあります。また、渡航地で感染症が流行している場合は、事前に情報を入手するなどの準備をしてください。