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放っておくと危険「ストレス性の胃腸炎」

ストレス性の胃腸炎が起こる原因と症状、放っておくと危険な理由、治療法や対処法等をご紹介します。
要点

・ストレス性胃腸炎は検査では見つけにくい

・ストレス性胃腸炎は放置すると自律神経失調症、潰瘍、胃痙攣、胃の知覚過敏を引き起こす可能性がある

・治療法は、

1、規則正しい生活を送る

2、胃の粘膜を守る

3、信頼できる人に相談する

4、寝る時の姿勢に注意する

5、心のコントロールを身につける

6、薬物治療

 

実は多くの人が苦しんでいるストレス性の胃腸炎

Photo by Tom Le Goff / Photodisc

日本人はストレスを感じやすいとよく言います。胃痛を訴えて病院にいって診察しても結局何も見つからなかったことってありませんか?実は最近このような症状の人がふえているそうです

日本人の4人に1人、8人に1人とも言われている病気です。誰しも強いストレス、慢性的なストレスを受ければ、このような病態になりえます

ストレス性の胃痛は男性にも多いと言われていますが、働く女性が増加すると比例して女性のストレス性の胃痛が増えてきていると言われています

ストレス性の神経性胃腸炎は検査で見つけにくい!?

Photo by Keith Brofsky / Photodisc

胃痛は精神的な部分が多いところもあるので、いざ病院へいって診察しても何も見つからないということも。最近ではこのような症状の場合にも名前がついているようで「機能性胃腸症(障害)機能性ディスペプシア(FD)」と呼ばれているそうです

おなかだけではなく日常生活さえも不快にさせる「胃のもたれや痛み」。潰瘍やがんなどの可能性があるため、病院では内視鏡検査で胃の状態を確認するわけですが、 何の異常も見つからないケースが増えてきています。

近年では、炎症が見つからないのに「胃炎(胃腸炎)」と呼ぶのはおかしいなどの理由から、機能性胃腸症(障害)機能性ディスペプシアなどと呼ばれています

現在の考え方では、FDは大きく分けて2つのタイプがあります。
食後愁訴症候群…食事に伴っておこるタイプ・胃もたれ感がある・食事の際、すぐに満腹になる(早期膨満感)
心窩部痛症候群・・・胸から上腹部に痛みを感じるタイプ・心窩部に痛みを感じる・心窩部にやけるような感じがある

心が弱ると胃腸は敏感に感じ取る?

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よく緊張など心配事があったりすると、胃がキリキリしたりしますよね?心が病んでいると胃腸は敏感に感じ取るんだとか。

胃は私たちの精神的な影響を敏感に感じ取り、自分自身にも不快感を感じることができる臓器の一つ

胃はさまざまな飲み物や食べ物を受け入れるというタフな働きをする反面、喜怒哀楽など、感情の影響を受けやすいデリケートな臓器でもあります

「胃は精神の住まい」ということわざが中国でもあるように、ストレスと胃炎とは密接な関係にあります

ストレス性の胃腸炎の症状

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① 胃がキリキリ痛む
② 胃の辺りがムカムカする
③ 胃がもたれた感じがする(重ったるい)
④ 胸やけがする
⑤ お腹が張った感じがする(腹部膨張感)
⑥ 吐き気がする(実際に吐く場合と吐かない場合がある)
⑦ 食欲がなくなる(食欲不振)

ストレス性の胃腸炎は放っておくとこんなに危険!

 

●自律神経が乱れてくる

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副交感神経はリラックスした状態ですが、私達は自然に交感神経と副交感神経を交互にスイッチを切り替えながら生活することで安定を保っています。
ストレスや緊張を多く感じる交感神経が多くなると休まる時間が少なくなるので心も休まることが少なくなります

自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります

ストレスは交感神経を優位にします。適度なストレスなら問題ないのですが、ストレスが多い生活が原因となって自律神経のバランスが乱れる

交感神経ばかりがはたらいてしまうので、体を回復する「副交感神経」が十分にはたらけなくなって回復が追いつかず、さまざまな不調を引き起こします。

●潰瘍が作られたり、痙攣も起きてしまう

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ストレスを感じると胃液が多く分泌されます。多量に分泌されることで胃そのものを溶かしてしまうことにも最悪なってしまうかも

ストレスや心の使い方が胃液を過剰に分泌させたり、分泌を抑制したり、空腹時に分泌したり、胃液の成分のバランスに多大なる影響を与えている

分泌のバランスがストレスによって崩れてしまうと、胃酸の分泌を多くしてしまい特に空腹時に胃痛を感じる要因になります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどにつながる可能性があります。

出典ストレス性胃炎があなたの身体をじわじわと蝕む9つの恐怖 - ザ・チェンジ

 

ストレスにより胃の収縮が起こり腹痛や胃の痙攣がおこる

●胃の知覚過敏が起きる

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味覚の知覚過敏はよく聞くことがありますが、胃にも知覚過敏が起きるそうです

ストレスにより胃の知覚過敏が起こる

「知 覚過敏」とは胃が刺激に対して痛みを感じやすくなっている状態を指します。正常であれば何も感じない程度の刺激であっても、「知覚過敏」の状態では、少量 の食べ物が胃に入るだけで胃の内圧が上昇し、早期飽満感が引き起こされたり、胃酸に対して過剰に痛みや灼熱感などを感じることがあります

●ストレスが消えない限り悪化

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怖いことにこれらの症状は、ストレスが消えない限り悪化し続けます。忙しさにかまけて病院へ行くことを怠っていると癌など他の病気に変わっているかもしれません

忙しくて病院に行くこともできないし、これくらいの症状だったらと我慢しがちで、放っておくとどんどん症状はエスカレ-トしていきます。気がついたら立ってもいられないくらいの痛みとなり、病院に行って診てもらったら重症だったりします

ストレス性胃腸炎の対処法や治療法

 

①健康的な生活を送ること

まずはストレスを解消するような休日をすごしたり、気分転換できる瞬間を多くとれるようにしましょう

過労やストレスを避けて安静にすることが大切です。暴飲暴食を避けるとともに、胃酸の分泌を促すような食事(コーヒー、濃い緑茶や紅茶、焼肉、強い香辛料などの刺激物)や脂質の多い食事は控え、規則正しい食生活を心がけます

②胃の粘膜を守ること

納豆嫌いの人はヨーグルトでもいいそうですよ!

何 かを食べられる状況であれば、胃痛の時は納豆を食べるようにしましょう。納豆菌にはヂアスターゼ、トリプシン、ペプシン、アミラーゼなど3大分解酵素が含 まれていますので、消化を助けてくれる効果があります。納豆やオクラ、山芋などのネバネバは胃の中の粘膜をカバーしてくれるので、胃痛の軽減に繋がります

③信頼できる人に相談

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話すことでストレスが少し緩和されるかもしれません。

ストレスの原因が何かを探り、それが判ったらできるだけ原因を取り除く努力をする、もしそれが不可能な場合は、ストレスをなるべく溜めないように心がけましょう

ストレスを溜めないことが大切ですが、現代社会においてそれは不可能に近いことだと言われています。悩み事・心配事がある時は恥ずかしいかもしれませんが、家族や友達に相談することでストレスは軽減されます。

④寝るときの姿勢に気をつける

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寝る姿勢によっても胃に負担をかけないようにしましょう。右側を下にすればいいようなので、いつも左側の習慣が付いている人は変えてみましょう

寝転ぶことが出来るのであれば、体を右にして寝転びましょう。胃の形状を考えると、右側を下にして寝転ぶことにより負担が少なくなります。その時は出来るだけ複式呼吸を意識するようにしましょう。

⑤適当でもいい!気にしすぎない!心のコントロールをマスターする

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神経性の胃腸炎を感じる人に多いのが完ぺき主義の人。自分では休んでいるつもりでも本当に体が休んだ状態にはないようです。中々今までの習慣や考え方を変えるのは難しいので、ダメ時は専門家にまかせましょう

いちばん大事なことは「こころ」のバランスを保つことができるようにセルフコントロールできるようになること

「ゆっ くり休養する」「頑張りすぎない」「ある程度てきとーになる」「パーフェクトを目指さない」といったことが、この疾病に悩んでいる人にはキーワードになる わけです。けれども、言葉でいうのは簡単ですが、こういう性格傾向を修正することはたいへん難しい作業になります。

心理療法の技法として確立されていますので、臨床心理士など専門家の支援を受けながら行なってゆくことが効果的

⑥病院で診察後、薬などを処方

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精神的な胃痛の治療には薬の処方が多く適用されるようです。自分で市販の薬をたくさん飲んでいてはそれが原因で胃痛を引き起こしたりすることも・・・きちんと処方された薬を容量など守って飲みましょう

機能性胃腸症の場合は、薬剤による治療が中心となります。おもに処方される薬剤としては、消化管運動機能改善薬や胃酸分泌抑制薬、抗不安薬など

出典胃炎・胃潰瘍

少しの痛みでも胃痛以外の病気も考えられるので、なるべく病院で検査をしてもらい、症状に合った胃薬を処方してもらうのが完治の早道でもあります。胃痛はひどくなると他の病気を引き起こすこともあります