コンパートメント症候群に注意!スキニージーンズも原因に
▼ 「コンパートメント症候群」をご存じですか?
筋腱神経組織が壊死〈えし〉に陥る障害です
または筋区画症候群(きんくかくしょうこうぐん)
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コンパートメントとは、腕や脚の筋肉、血管、神経の集まりです
上肢または下肢のコンパートメント(筋区画)の内圧上昇により循環障害がおこり、筋や神経の機能障害が生じることをいう
上肢、下肢の筋、血管、神経は骨、筋膜、骨間膜に囲まれている。この構造をコンパートメント(compartment)あるいは筋区画と
・放置すると、重大な結果になることがあります
筋肉組織と神経が必要な栄養と酸素を得ることができなくなるため、治療されないと回復不能な損傷の原因になることがあります
コンパートメントの内部の圧力が何らかの原因で上がり、筋肉や神経が圧迫障害されるようになった状態を下腿コンパートメント症候群
▼ 慢性型のコンパートメント症候群
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スポーツによるものとしては慢性型が多くみられます
激しい、または頻繁なトレーニングも、リスクを高めます
長期にわたってスポーツをしている方にとっては、比較的身近な現象でもあると言えるのではないか、と思います
・同じ動作を繰り返す運動を習慣にすると、リスクが上昇する
水泳、テニスもしくはランニングなどの運動をする人は、慢性のコンパートメント症候群を発症するリスクが高くなります
▼ 急性型のコンパートメント症候群
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大きな外傷の後に起こるのが普通です
ごくまれに、軽度の外傷の後に発症することもあります
急性型の場合は組織が壊死すると再生ができない
・コンパートメント内に血腫などが生じ発症する
急性型は、下腿骨折などの外傷時にコンパートメント内に血腫(けっしゅ)などが生じて急激に発症するもので、神経麻痺を伴います
▼ 細身のジーンズで作業をしたら、コンパートメント症候群に
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数時間しゃがみ続けたことが原因に…
出典junior_
細いジーンズを無理やりはくと、とんでもないことになると
この女性はスキニージーンズをはいて、家族の引っ越しを手伝っていた際、食器棚から物を取り出すために数時間しゃがみ続けた
出典【世界の議論】キャサリン妃のまね厳禁!? 神経障害、歩行困難…英誌の論文「スキニージーンズ」にレッドカードの波紋(1/3ページ) - 産経ニュース
・膝下の感覚がなくなり、動けなくなってしまった…
足の感覚がまひし、つまずいて転倒。そのまま動けなくなった
両方のふくらはぎはジーンズが脱げなくなるほど膨れ上がり、血液が循環せず、膝から下の感覚がなくなり、足首や爪先を動かせなく
▼ 加齢も原因になる
コンパートメント症候群を引き起こす原因は加齢
足関節(足首)・膝関節・股関節などの可動性低下
▼ コンパートメント症候群の予防策
下腿に大きな負担がかからないよう意識して運動すること
初期段階であれば、アイシングなどの保存療法で対処が可能
下腿三頭筋のストレッチが有効とされています。運動前には入念なストレッチをすることで、筋肉の急激な炎症を防ぐことができます
・立ち仕事で腰がだるくなり、背筋を伸ばすと和らぐ…まずいかも
背筋を伸ばすと痛みが和らぐなどもコンパートメント症候群の特徴
コンパートメント症候群は歳を重ねればだれでも起こす可能性のある病。50代、60代になって腰痛を感じるようになった方は注意